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―主よ、何処へ行かれるのですか? ―万軍の主って正しく将軍様のことだよね。
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■ 『自民党 政権党の38年(北岡伸一)』『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日(カール・マルクス)』を読み終えた。どちらも政治モノであるが趣が異なるので、片方は好きだがもう片方は苦手という人もいるかもしれない。順に感想を述べたいと思う。

■まず『自民党』から。著者は奈良県出身の政治学者(政治史)で、現在東大教授。私も講義を受けたことがある。題名の示す通り自民党結党前史から政権を失う(宮沢政権)までを、文庫本一冊で書ききった好著であると思う。我々より少し古い世代が抱く、派閥均衡・無原則・金権などの自民党像が如何にして形成されてきたか、また歴代首相の性格、業績など、意外と知らない事が多く為になるだろう。そしてそれは今後の政局を占うに当たり重要な示唆を与える。同様の本に『歴史劇画・大宰相』がある。こちらはマンガながら、群像劇として非常に面白く、また内容も本書に照らし合わせてもかなり正確であると思われる。そしてさらにどうでもいいことに、顔が良く似ているのでその辺りも楽しみながら読めるだろう。文庫なので容易く読めるので、ついでにもう一冊『戦後史のなかの日本社会党』も併せて読みたい。社会党が、やはり我々が思い描くような一枚岩の左翼政党ではなかったことを理解したとき、現実政治がイデオロギーだけでは割り切れず、また逆にイデオロギーに固執したが為に社会党がついに責任ある態度をとることがなかったことも、歴史の教訓と言えるのではないか。

■次に『ブリュメール18日』。こちらはマルクスの政治的ジャーナリズムの書である。2度のクーデターにあっさりと失敗し亡命を余儀なくされたナポレオン3世の政権獲得の過程を、マルクスが彼の理論に基づいて解説してみせる。ボナパルティズムという語はまさにこの作品から生まれたものである。尤も、現在ではブルジョワとプロレタリアの勢力が拮抗したときに両者の調停者として振舞うことにより独裁を実現する体制=ボナパルティズムという一般化は難しく、多くの場合この理論は破棄されていることには注意を要するであろう。しかしそれにも拘らず、この本は素直に面白いと思う。ブルジョワ政治家に吐き掛ける罵詈雑言、思わず納得しそうになる理論。マルクス主義が世界を席巻したのは、理論だけではなくその面白さにあるのではないかと思うくらいである。また「歴史は二度繰り返される。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という言葉も『ブリュメール18日』が原典であるとされる。マルクスの著作としては『資本論』『共産党宣言』が真っ先に思い浮かぶ事だろうと思うが、是非とも『ブリュメール18日』も読んでみてほしい。いや、むしろ『宣言』などを知らずとも読めるので、その点では気軽に読める本であると思う。のめりこまない限り推奨したい。なお、平凡社版には補論として柄谷行人の「表象と反復」という批評が付いている。私はあまりこの手の議論は好かないし、内容もかなり恣意的で、だから批評家は嫌いなんだと言いそうになるものだったが、好きな人は読んでみても良いのかも知れない。個人的にはイデオロギーを現代思想でデコレートしたような印象を受けたが。勿論マルクスの著作も一種の政治批評なのだろうけども、この両者に感じる差異は一体何なのだろうか。私にはどうにもマルクスの『ブリュメール18日』に見られるような切れ味を見出すことはできなかった。鈍いメスでは腑分け出来ないのだなぁ。


■積本にも気軽に読めそうな文庫本がかなりあるので、こういうのをちゃっちゃと片付けたいと思いつつ、法学の勉強が圧倒的に不足していることを嘆く今日この頃。読んでいる本からして、法学向きの人間には見えないだろうなあこれ。

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